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神奈川県立
産業技術短期大学校

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講師インタビュー
「No.664木工の仕口(接合法)とその活用技法」講師 産業技術短期大学校 産業デザイン科 荒川 竜輔
※この講座は、現在実施しておりません。木材加工の講座の参考としてご覧ください。

当校のセミナーについて、どういった講座があるのか、どういった雰囲気で行なわれているのか、講師はどんな狙いをもって講義を行なっているのか、 といった点について、受講希望の皆様に広く知って頂くために、講師にインタビューを行ないました。技術系の講座に興味がある皆様は是非、ご覧ください。

講師写真

それでは、よろしくお願いします。早速ですが、自己紹介も兼ねて業務について簡単に説明してください。

産業デザイン科の荒川です。指導員歴20年、当校の産業デザイン科は通算14年勤務しています。 また、その他に家具職人を養成するコースで6年間指導の経験があります。

産業デザイン科では、すべてのデザイン分野に共通する知識や技術を基礎に グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、スペースデザインの企画・設計から制作までのデザインワークを学びます。 就職先は多岐にわたり、グラフィックデザイン、DTPオペレータ、印刷オペレータ、CADデザイン、モデラー、筐体設計、 ディスプレーデザイン、大道具、施工管理など専攻を活かした分野で就職しています。 7名の指導員以外にもリアルな仕事の話を聞けるよう、プロのデザイナーを招いての指導も行っています。

産業デザイン科では、企業にお勤めの方向けのセミナーを年間11講座実施しています。 そのうちの「No.664木工の仕口(接合法)とその活用技法」を担当しています。 この講座では、 木製品製作を通して木製品のデザインに必要な材料の知識、および加工の技術を学びます。

では、担当のNo.664の講座について計画した目的を説明してください。

一般的に、製造業ではデザイン(設計)とモデル制作(試作品制作)は、 それぞれデザイナーとモデラーが別々に担当する場合が多いです。

しかし、プロダクトデザインの分野でも家具などの木工製品に関しては、 材料の強度や狂いが樹種や使う方向により異なるため、 デザインしたものが本当に製品として成り立つのかをデザイン工程の中で確認する必要があります。 そのためデザイナーが自ら試作を行いながらデザインを決めてゆく場合が多いのです。 したがって、木工製品に関しては、デザイナーがモデル制作もきちんとできる必要があるのです。

木工製品デザイナーの中には、職人としての技術を身につけてからデザインの勉強を行う人がいます。 その場合は、既にモデル制作ができますから、特に問題ありません。

しかし、その逆の場合では、デザインの勉強をしてから職人としての技術を身につける必要があるということになります。 もちろん、実務を通して身につける人や独学で身につける人もいると思いますが、 この講座のような専門の教育機関を活用するほうが効果的、効率的だと思います。

そういったことから、木工製品のデザイナーの方で、モデル制作の経験が少ない方を対象に、 特に仕口(接合法)に関して学んでいただける講座としました。 ただ、受講者は、木工製品のデザイナー限定ではありませんので、 例えば、木工製品製造の仕事に就きたいような方が、どのような作業なのかを体験したいと受講されることもあります。

いずれにしても、木工製品のモデル制作ができるようになりたい方の役に立てるような内容を目指しています。

木工製品に関心のある多くの方々に、この講座を役立てていただきたいですね。

受講生の経験によってスピードも精度も違います。プロは速やかに精度よくモノを作ります。 そのためには数多くの経験が必要です。 当然、講座の受講時間は限られていますので、講座だけでプロ並みの経験はできませんが、 どのような練習や経験が必要かは、理解していただけると考えています。

受講者全員がアンケートで「大変よかった」「よかった」、「大変役に立った」「役に立った」と回答していますね。

課題写真 4日間という短い期間で行うためには事前準備が不可欠です。 必要な部分に時間をかけ、そうでないことは極力避けるなど工夫をすることで満足度があがっていると思います。

また作業には危険を伴います。木工機械は非常に危険で指を落とす職人も少なくありません。 そのようなリスクを回避するために定員5人という少人数で行っています。

安全に作業をしてもらうため、事前にサンプルを製作し、危険箇所や難しい内容がビジュアルでわかるように工夫しています。 写真をご覧ください。上の3つの部品は、包み蟻接ぎ、通し蟻接ぎ、留形隠し蟻接ぎなどの仕口(接合法)が 分かりやすいように、その部分だけのサンプルを用意しました。 下の3つの部品は、同じ5枚組み接ぎですが、左のパーツを中央のように組み合わせ、右のようになる、ということです。 このような実物サンプルを見ると、単に図面を見るのと違って、やはり分かりやすいです。 また、作業が早い人向けに別課題も準備し、待ち時間を少なくする工夫をしています。

では、最後に読者に伝えたいことはありますか?

木工の分野はデザインと同時に職人としての技術も必要になります。 それは一人前になるのに時間がかかるということです。しかも手加工で使用する道具や木工機械は危険を伴います。 それでも自分の思い通りの製品が出来るようになり、製品を使う人が幸せになってくれるやりがいのある仕事です。 木工の分野で自分の領域を広げたい方、あるいは木工の分野を目指す方など多くの方に活用していただきたいと思います。

また、今年度は小型の家具を製作しましたが、次年度は量産を考えた木製品数点を製作する講座に変更を予定しています。 量産を前提に合理的なデザインの製品をどのように提案し製品化へ結びつけるのか…楽しみにしていてください。

荒川先生どうもありがとうございました。

課題完成品写真
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