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制御技術科
制御技術科では、電気の力で動作する動きのある機械・機器の製作に必要な知識や技術を学びます。
学習分野
自動的に指定した階まで動いてくれるエレベータ、工場等で人の代わりに働く産業用ロボット、災害時に活躍する救助ロボット、自動運転技術を備えた車、体の動きをサポート・援助してくれる介護機器、生活を便利にする家電製品など、 私たちの生活には欠かせないものになってきている、身の回りの様々な機械・機器を設計・製作する上で必要な、「機械技術」、「電子・電気技術」、「コンピュータ技術」、「メカトロニクス」の4分野の知識・技術を2年間をかけて学びます。
機械技術
機械装置等を構成する部品や、その材料の特性や性質を理解し、簡単なモデル機械装置の設計や製図を学ぶとともに、実際にその部品を工作機械等を使用して加工し、 その部品を組み立てることにより、機械装置ができるまでの一連を学びます。
CAD、加工について
CADとは、従来手書きで行っていた製図をコンピュータ上で作成していくものです。CADで作成した設計図をもとに、旋盤(円柱状の部材の周囲を削り加工する)やフライス盤(平面状に部材を削り加工する)、 ベンダー(金属を折り曲げる)、裁断器(金属を裁断する)、溶接(金属を溶かして付ける)、等で、必要な部品を作り出していきます。
電気・電子技術
電気・電子回路の仕組みを理解し、電子機器へ自分の動きや外部の状況を取り込むためのセンサや、モーターなどの動きを制御し必要な動作を行うための、電気的な回路技術や機器の取扱いについて学びます。
機器の制御について
電子機器の多くは、機器内部の電子回路上にあるマイコン(マイクロコンピュータ)と呼ばれる小さなコンピュータにプログラムを書き込み制御します。 また大きなものを制御する場合は、プログラマブルコントローラ(PLC)用いて、リレーや空気圧、油圧を制御することで機械を動作させます。
コンピュータ技術
現在の電子機器の多くは、目的の動作をさせるために、プログラムが書き込まれたマイコンという小さなコンピュータが内蔵されており、このマイコンが機器全体の動作を制御しています。 これらの電子機器に、外部から得られる情報を処理し、目的の動作をさせるためのコンピュータのプログラム技術や通信技術を学びます。
プログラムとは
コンピュータに動作手順を教えることを言います。私たちには、日本語、英語などの言葉がありますが、 コンピュータはC言語、Java言語などのコンピュータ用に作られた言葉で動作手順を記述することになります。 携帯電話もマイコンが使われており、プログラムによって動作しています。
メカトロニクス
制御技術科では、前述の「機械技術」、「電気・電子技術」、「コンピュータ技術」の基礎的な知識・技術を身に付けた後、これら3つの技術が融合した「メカトロニクス」について学びます。
メカトロニクスとは
機械、電子・電気、情報の知識・技術を併せた技術分野のことです。機械装置(メカ二ズム)と電子工学(エレクトロニクス)を合わせてできた用語です。機械を電子・電気回路で制御することを意味しています。 電子回路にはマイクロコンピュータが組み込まれ、書き込まれたプログラムにより制御されています。 したがってメカトロニクス機器は「機械」、「電子・電気回路」、「プログラム」の3つにより構成されていることになり、メカトロニクス機器の開発・製造では、 「機械技術者」、「電子・電気技術者」、「コンピュータ技術者」の三者が協力することで、一つの製品が出来上がっていきます。 これまで機械に分類されてきた、自転車、自動車、時計、カメラなども、現在メカトロニクスの技術無しでは実現できなくなくなってきています。家庭では、 ブルーレイプレーヤー、CDプレーヤー、エアコン、洗濯機。通学時には自動改札機、エレベータ、線路に落ちることを防ぐホームドアなど、メカトロニクスによってはじめて実現できる分野も数多くあります。
資格取得 及び 卒業後の進路
資格取得
制御技術科の関係する資格などには次のようなものがあります。制御技術科では、資格に必要な学習内容を授業カリキュラム中での実施や、対策講座などにより資格取得をバックアップしています。
- 産業用ロボットの教示等に係る特別教育(授業で取得します。)
- アーク溶接等の業務に係る特別教育(授業で取得します。)
- 研削といしの取替え等の業務に係る特別教育(自由研削)(授業で取得します。)
- 電気取扱業務に係る特別教育(低圧)(授業で取得します。)
- 技能検定(旋盤及びフライス盤作業)
- 第二種/第一種電気工事士
- 情報処理技術者試験[ITパスポート]
卒業後の進路
制御技術科では、機械、電気・電子、コンピュータなどの幅広い技術を学ぶことにより、卒業後は複合的な技術を求められる分野での実践型エンジニアとして活躍することを目標としていますが、 在学中に幅広い学習をするために、科の最終的な目標である「機械制御・メカトロニクス」の分野以外でも、幅広い分野で活躍しています。